2013年8月28日水曜日

百年ミクさん

『雨に唄えば』という映画がある。撮影技術の進歩により、無声映画からトーキー映画に切り替わるハリウッドのドタバタを描いた、コメディミュージカルだ。
 科学技術の発展と芸術は、切っても切れない縁にある。映画の例をとるならば、記録装置と撮影機材の歳先端技術の発表の場が映画であり、それが映画産業100年繁栄の礎を築いてきた。乱暴な言い方をすれば、活版印刷が文庫文化を産んだし、写真技術は印象派を産んだし、コンピュータはシンセサイザを産んだし、例を挙げればきりがない。
 初音ミクさんって、俺にとってそういう存在なのだ。SF的な「科学技術の進歩すげー」の先に、いつも彼女がいるのだ。

 今回の夏祭初音鑑を見ながら、そんなことを考えていた。

 今回の東京公演、大阪で見たときよりもミクさんたちの透明度が少なく、本当にそこにいたように感じた。多分オレ、ミクさん云々抜きにして純粋に楽しんでた。こういう新しい技術を使った新しい芸術だよーって言っても十分通じると思う。上映場所、秋葉原でなくで、もっとハイカルチャーな箱の方が観客入ったんじゃないだろうか。
 ミクさんたちの投影方法は、斜めガラス? 板と鏡を使った、かなり手の込んだギミック。オレらなんかは見慣れてるけれど、始めてみる人は魔法の装置に写ったんじゃない?

 今の世の中、あらゆるものが高度に進歩し、楽しむことはできても、中のギミックを知るのは難しい。でも、ミクさんに限っては、分かる。なんでああいうモデルなのか。あのモデルは誰が作ったのか。どうやって動かしているのか。あの音は誰がどうやって作っているのか。そもそも初音ミクのライブとは、誰が思い付きどういう歴史をを歩んできたのか。あのステージにミクさんがいる理由と仕組みが、全部分かるのだ(今後どうなるかは知らないけれど)。

 いま持てる、最高のアイディアと技術でミクさんをステージに出現させ、だけれどその手法は、まだ我々の届く範囲にある。手の届くSFだ。最高じゃないですか。


 多分、初音ミクさんは、今後100年続くコンテンツになる。断言する。だって、オレという人間が、全身全霊命を懸けてくっそ面白いと6年間も思い続けてるんだぜ? 昨日のミクさんは、今日のミクさんと違う。明日のミクさんは、もっと進歩している。100年後には、多分ミクさんは『いる』んだろう。

 演繹的に書き連ねたせいでまとまらなくなったけれど、とりあえず、ミクさん今日はありがとう。ちょっぴり、具体的な未来が見えました。



 今日の夏祭初音鑑、全体的に4つ打ちロックが中心で、好みの選曲でした。ハロ/ハワユが流れたときはビックリしたけれど。鳥肌たったったw 鑑賞時のテンションはどうしたらいいのかわからず、ライブというより、鑑賞ってスタイルだよねあれ。でもじっくりミクさんのこと見れてよかった。
 個人的には、ルカさんがね。あれね、ヤバイね。なめ回すように視姦してたら次の曲で警察出てきて笑ってしまった。
 後半はわかむら節炸裂。HAKUBA提供の、飛び散るガラス! ガラス! ガラス! スクリーンを使ったギミックがすごくよかった。
 tell your worldが真骨頂。あぁコレがやりたかったのね。と納得のでき。
 こまけぇことはどうでもいいけど、本当に面白かった。みんな見に行け!

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