2020年9月19日土曜日

『TENET』をIMAX70mmオリジナルサイズで鑑賞したらその異次元な映像体験に脳みそを破壊されたお話し。

  映画『TENET』をつい先ほどIMAXレーザー/GTテクノロジーのスクリーンで見てきました。あまりの異次元な映像体験に、途中何度も頭を抱えながら叫びそうになりました。

 その興奮がやまぬうちに、『TENET』のなにがすごかったのか、主観をふんだんに取り入れて語ってみたいと思います。


 TENETを語る前に、この作品の監督の話をさせて下さい。

 始めに言っておきますと、私はクリストファー・ノーランの映画が大好きです。この監督はヤバいなと感じたのは『インセプション』を見たときで、空間と時間がまるで夢でも見ているかのように揺らぐファンタジーSFなストーリーに度肝を抜かれました。

 そして決定的だったのは『インターステラー』。主人公がブラックホールを抜けたら娘の部屋にいるという、まさかの家族愛をテーマに圧倒的な映像とストーリーで描き出すという手法に驚きました。インターステラーはIMAXシアターで視聴中、あまりの映像とストーリーのすごさに口を開けたまま放心した記憶があります。

 そして欠かせない映画が『ダンケルク』です。これをIMAX70mmフィルムのオリジナルサイズで見たとき、泣きそうになりました。なんで泣きそうになったのか、自分でも分かりません。映像への没入感がとてつもなく、物語が『存在する』という圧倒的パワーにたぶん泣いたんだと思います。


 クリストファー・ノーランを語る上で外せないのが、IMAXです。IMAXはIMAXでも、IMAX70mmフィルムです。

 ここで重要なのが、厳密に言うとクリストファー・ノーランはIMAXが好きなのではなく、『この世に存在する最高峰のテクノロジを使って映像作品を作りたがっている』ということです。それがIMAXフィルムでの撮影だったということです。ごく一部の特殊な環境をのぞき、IMAX70mmフィルムで撮影された映画をIMAXフィルムシアター(日本ではIMAXレーザー/GTテクノロジー)で見る体験というのは、この世に存在する最高の映像体験と言うことになります(一部の酔狂はそれを求めてオーストラリアに行くのですが、それはまた別のお話)。

 IMAX70mmフォーマットというのは、世界一の映像フォーマット。存在そのものが暴力なのです。


 前置きが長くなりました。映画『TENET』ももちろんIMAX70mmフィルムで撮影されています。

 そして『TENET』のストーリーなのですが、これは非常に単純明快。核となるストーリーは「時間をさかのぼって未来を救う」というなんともベタなものです。難解という書き込みも見ますが、「解釈が難しい」タイプの難しさではないので、少し考えれば理解できる内容です。ただし、単純に時間が進むのではなく、進んだり戻ったり進んだり戻ったり、時間の進行が交差します。

 この映画の最大の特徴が、時間をさかのぼる映像表現を「フィルムの逆再生」という、ものすごーくシンプルな方法で表現していることです。しかも登場人物が逆再生をするような動きで演技したりもします。

 で、それをIMAX70mmフィルムで行います。

 もう一度言います。IMAX70mmフィルムはそのあまりの臨場感に、見たものを『現実』と認識させる力があります。たとえそれが作り物であっても、IMAXシアターで見たら『現実』と認識します。

 クリストファー・ノーランの作品にCGはほとんど使われていません。フィルム撮影がメイン。まさに本物。

 TENETは、時間が順行していたと思ったら、次の瞬間には逆行します。IMAX70mmフィルムを逆再生させると、それは瞬く間に現実となります。おぉ、逆再生すごいと感動します。そこからさらに、順行に戻ります。おお? また戻った。あれ? いま時間はどっちに進んでいるっけ? そこからまた逆行。あれ? 時間はいまどっちに進んでいる? 登場人物を見ても、前を向いて歩いているのか後ろを向いて歩いているのは分からない。でも、映像は現実。

 自分はいま、過去と未来、どちらに向かって進んでいる!

 物語の終盤。時間の順行と逆行が入り乱れた市街戦という、よくぞこんなの作ったなと感嘆するシーンが出てきます。目の前で繰り広げられる映像の暴力と、現実にはあり得ない時間の進み方に、脳が壊れました。まるで夢を見ているようで、あの映像表現は想像すらしたことがないような、すごさのあまりに頭を抱えて叫びそうになりました。『なんなんだこれは!』と。


 物語は比較的シンプル。クリストファー・ノーランの作品てなんか難しいんでしょ? と思っている方。中学生向けの雑学書に書いてある一般相対性理論と特殊相対性理論レベルの物理が分かれば、基本問題ありません。今回のTENETも、時間の逆行をエントロピーで例えていますが、まぁ理解できなくても楽しめます。

 内容よりもまずは、IMAXオリジナルサイズの映画館で見て下さい。どれだけお金と労力をかけてでも、東京池袋か大阪吹田に行って下さい。そしてIMAXレーザー/GTテクノロジーでTENETを見て下さい。

 そうすれば、本当に時間をさかのぼることが出来ます。

2020年6月18日木曜日

【たぶんハマるよ!】ボカロ好きにも聴いて欲しい、ここ最近のVTuber系楽曲【10選】

 こんにちは。ボカロ廃です。ボカロ廃でした、とは言いたくないです。いまでもボカロ廃だと思っています。
 1~2年前のkayashinさんをご存じの方がいらっしゃいましたら、「以前に比べたらボカロの話題全然してねーじゃん嘘つくんじゃねーよ似非ボカロ廃!」と罵られそうですが、いまだにちゃんとボカロ楽曲は好きだし、ボカロ楽曲も掘っています。

 ただ、正直に言うと、昔よりはその数は確実に減りました。その理由にVTuberの楽曲進出がとても大きくて、自分の好きな感じのトラックメイカーがVTuber方面で楽曲を量産するようになったんです。
 そんなわけで、自分がここ最近よく聴いているVTuberやDJの方々をピックアップしてみました。ボカロ楽曲が好きな方が、少しでもはまってくれると嬉しいです。
 もしくはこのあたりを聴いておくと、最近のKawaii Future Bass系はだいたい大丈夫なので、もしこういう曲にハマったなら、コロナ禍が終わったら僕と一緒にクラブに遊びに行こう。行きたいです。ぜひ行きましょうお願いします。

※紹介させて頂いた方々の敬称は省略しております。




 Moe Shopの激しいキックのクラブミュージックと、KMNZのイメージとはギャップのあるクールな歌声。ラップ部分も非常に格好いいです。歌詞の言葉遊びも非常に楽しいです。クラブで聴いたら気持ちよく音に乗れそう。








お互い意識する男の子と女の子の、もどかしい気持ちがくすぐったい。この歌のなにがすごいって、自分では絶対に思いつかない歌詞がすごい。韻を踏む単語がメインで、明確な文章にはなっていないんだけど、それがあやふやな恋心のようで、甘酸っぱさが倍増している。夜の街に合いそうな、色温度が高めのメロディも最高です。








Neko Hackerらしい『Kawaii Future Rock』が存分に味わえる一曲。クラブでも十分にノれて楽しめるミュージックなんだけど、伸びやかで爽やかなロックも味わえるという、一粒で二度おいしい、とても聴き応えのある楽曲です。








TEMPLIMEのクールさと、をとはのkawaiさが絡まって、甘塩っぱいFuture Bassがとても格好いい。途中の「yeah!」がとてもかわいくて、つい自分も「yeah!」って叫んでしまう。








上と同じくTEMPLIMEの楽曲です。星宮ととの透明な歌声と相まって、とってもオシャレなんだけど、少し幼さの残る声がとても魅力的です。なお、いろいろな方がカバーしており、それらと聞き比べて楽しむのも面白いかも。









PSYQUIが仕事として(?)曲を作ればそりゃ最強だなと思わせる1曲。わかりやすく格好いいドウテイ・チンチン・ミュージックなんて言われそうだけど、聴き手も格好良くクラブで踊りたいと思わせる素直でクールなクラブミュージックってやっぱり凄いと思うのです。









はじめは単にメロディーが良いなーって単純に聞いていて、歌詞をよく聴いてみたら衝撃を受けた曲。Yunomiの楽曲って「新時代の歌謡曲」って勝手に呼んでいて、「大江戸コントローラー」とかわりと真面目に聞くと真面目なんだけどふざけた世界観とFuturepopなサウンドで逆にすんなり歌詞が入ってくるという、すごく奇跡的な歌がいくつかある。
この曲も、現代社会で心を失っていくディストピアな世界観の歌詞を、キズナアイが楽しそうに歌うというギャップが面白いんだけど、それがかえって「心が壊れたAIが無表情で笑いながら歌う」見たいな怖さがあって、可愛くもありちょっと暗くもあり、微妙なさじ加減でいろいろおいしい楽曲になっています。Yunomiとキズナアイが上手くマッチした、素晴らしいキャラクターソングだと思っています。








チルっぽいFuture Popがとても心地良いsomuniaの一曲。透明な歌声がスローテンポな曲調に溶け合って、たとえばクラブで身体が火照っているときに聴いたらきっと最高の曲なんだろうなと思わせる。夏の夜風に吹かれながら聴いてみたいと思わせるような曲が素敵です。








こんなこと言ったらファンの人に殺されそうなんだけど、才能はすごいある方なんでしょうけど、歌唱技量はまだまだ発展途上だと思うんです。ただ、それが力強い歌声をより際立たせていて、サビの熱量がとても心地良い。イントロからサビへかけて急上昇する歌声の力量のカタルシスが素敵です。








あまりにエモい音作りをするものだから、きっとご本人もエモい方なんだろうと思い込んでいたら、クラブハウスでDJブースに立ったのはイメージとは全然違う、かわいらしい方。歌手さんかな? と思っていたら、かわいらしい方本人がいきなりエモいDJプレイを始めて、衝撃を受けてそのまま一目惚れしました。すごく激しい曲作りをするんだけど、たとえばこの「Sunset Tea Cup」も、実はほろ苦いバラードなんです。ライブなどで「とぅっとぅっとぅるるー」の部分をすごく優しい口調で歌ったりすると、エモいのにバラードという脳内が混乱する奇跡体験を味わえます。