2016年6月15日水曜日

NDロードスターを所有して、半年 『きっと、だれもが、しあわせになる。』お話し



 NDロードスターに乗って、半年が経ちました。ごく平々凡々な一般人がオープンカーを所有するとどうなるのか、思ったことを書いてみます。


・なんでNDロードスターを買ったのか
 ロードスターの前はアクセラ、その前はデミオと、ずっとマツダ車を乗り継いでいたというのが一番の理由です。マツダ地獄に陥る前はスカイラインに乗っていたのですが、当時初めてデミオを運転して「こいつなんて軽い車なんだ! ハンドル切ったら切っただけスパスパ曲がるぞ!」と感動して以来、ずっとマツダ車を乗るはめに。
 前者のBLアクセラも、とてもよいクルマでした。路面状況をもらすことなくシートに伝えるボディ剛性と、0.1ミリ切るだけでフロントの向きが変わるハンドリングは、ファミリーカーらしからぬものだったと思います。
 そんなアクセラ、気に入ってはいたのですが、心の奥底で『独身のうちに、独身時代にしか乗れないクルマを所有したい』という気持ちが、ずっとありました。
 そして、そんな中、発表されたNDロードスター。デザインに魅了され、これは買わざるをえないという確信を固めます。そこからは本当に、あっという間でした。衝動買いに近かったと思います。
 ロードスターを買うとき、いちおう他のクルマ(BMW Z4、メガーヌRS、ジュリエッタ)も検討しました。86やS660は考えませんでした。とにかく、趣味性の強い車をという思いからでした。結局これら外車勢は、ディーラーに入る勇気がなく、買うことはありませんでした。

・オープンカーって、常用できるものなの?
 オープンカーって、意外に普通でした。友達もいないので、2シーターで十分、というか助手席要らないくらいです。この制約さえクリアできれば、万人受けする、ごく普通の乗用車です。
 幌を閉じてしまえば、本当に普通のクルマと変わりありません。騒音も、少なくとも自分の乗っているLパッケージについては、『軽自動車の商用グレード並の静音性』を確保していると思います。静かではないけれど、取り立ててうるさくもないです。
 ただ、雨の音はよく聞こえます。ちょうど、傘を差しているようです。ただそれも、走りだしてしまえば、雨粒はフロントガラスにしか当たらなくなるので、聞こえなくなります。

・オープン時の快適性
 これも、思った以上に普通でした。冬はシートヒーターでぬくぬく暖かく、サイドウィンドウを上げればちゃんと暖房効きます。夏でも帽子被ってエアコン全開にすれば、なんともないです。多少の雨ならば、走行中は車内が濡れることはありません。
 基本的には、雨以外ならば、季節を問わずオープンにすることができます。これは実際に乗ってみないとわからないと思います。
 また、時速100キロ位ならば巻き込みも常識の範囲内なので、高速道路もオープンでオッケーです。ただ、トンネル内の騒音は相当なので、苦痛なのはそこくらいでしょうか。

 予想以上だったのが、BOSEスピーカーシステムが意外に良かったこと。前のアクセラのBOSEが良かったので、今回も付けました。そこそこ響くので、トランスとかガンガン鳴らすと、気持ちいいです。

・MT車に乗ることについて
 MT免許は持っていますが、ロードスターに乗るまでは、ずっとAT車のみでした。前車のアクセラにはパドルシフトがついていましたが、あくまで「なんちゃってシフト」でした。
 結論からいうと、まったく問題ありませんでした。エンストさせてしまったのも、初めの1週間だけ。気がついたら、ブリッピングさせながら小気味よくシフトダウンできるようになっていました。
 ただ、ヒールアンドトゥに関しては、ペダルの位置関係がよろしくないらしく、できないままでいます。

・スポーツカー? いいえ、違います。
 NDロードスターに乗って思うのは、『デミオコンバーチブル』だなということ。車体の軽さ、ハンドルの軽さ、いろいろなところが、車重量1トンを切っていた先代デミオを連想させます。気合を入れて運転する必要はまったくありません。
 また、バイパスの合流時など、日常でアクセルペダルのベタ踏みが可能です。回転数が上がると、心地よいエンジンサウンドが響いて「あぁスポーツカーっぽいな」と思うのですが、案外速度は出ていないw
 ノーマル時の車高が、あまり低くないのも助かってます。旅行が大好きで、峠の酷道などもよく行くのですが、車高が低いと走行不可能な道も多くあるので、そのへんは普通のクルマとして通ることができます。
 曲がるのが楽しいのは、言わずもがな。山道を走っていて、どこまでもフロントが曲がっていくあの感覚は、本当にニヤけてしまいます。
 また、サスペンションがそこそこ柔らかいので、アクセルやブレーキで車体の前後を揺らすことができます。その感覚が、直感的にわかるので、なんとも言えない楽しさがあります。

・注目度だけは抜群
 屋根を開けて走っていると、けっこうガン見されます。そして、声をかけられます。ツーリングスポットとかに行くと、二輪ドライバーの方に囲まれたりとか、300万ちょっとのクルマとは思えないほどの人気っぷりです。
 ただ、他のオーナーはそこまで声をかけられないようなので、自分の年齢が低いせいもあるのでしょう。声をかけやすいのか、ナメられやすいのかw
 女の子にはもてません。おじさん層にモテモテです。

 また、これは副次的なメリットですが、ロードスターに乗るようになってから『ロードスターに乗っている人』というキャラ認定を受けて、人間関係が多少上手く行くようになりました。以前は、無趣味のつまらない人間という印象を周囲に与えていたので、たいへん助かっています。

 


・普通のサラリーマンが、ロードスターを買ってみて
 ロードスターは、だれでも持つことができると思うのです。
 もちろん、安くはない。自分みたいな底辺サラリーマンが買うには、金銭的にも、ライフスタイル的にも、それ相応の覚悟が入ります。
 でも、無理ではないんですよね。お金やライフスタイルを、すべてロードスターに振れば、まったくもって無理じゃない。
『持てる、持てない』ではなく、『持つ勇気があるか、持たない』かの選択。

 ロードスターは、言語化できない領域の快楽を、とことん追求した商品です。この楽しさを、言葉で他人に伝えるのは、本当に難しい。
 ただ、実際に乗ると、「なるほど、こういうことなのか」と分かる。たとえば、仕事終わりに、オープンで走りながら、ふと上を見上げると、木々の隙間から星空が覗いたりすると、『あぁ、いま俺は、ここで、生きてるなぁ』とか思うのです。生きてるなぁ、という、確かな自己を感じることができるのです。
 あの感覚は、所有した人でないと、わからないと思います。


 
 『このクルマを手に入れるほんの少しの勇気を持てば、きっと、だれもが、しあわせになる。』

 この一文に、すべてが詰まっていると思います。
 NDロードスターに乗って、半年。走行距離10,000キロ。
 毎日が、本当に楽しいです。この楽しさは、誰もが味わえるもの。ぜひぜひロードスターのある生活へ。お待ちしております。

1 件のコメント:

  1. 僕も今年ロードスターユーザになりました。古いNBですけど。
    でもこの文章を読んでまったく同感です。
    持ったひとにしか分からない良さがこの車にはありますね。
    もう手放したくない車です。
    マツダの愛情の車だと思いました。

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