2017年11月28日火曜日

ミーム設計研究所の立ち上げに当たり

 ミーム(meme)とは、人類の文化を進化させる遺伝子以外の遺伝情報であり、例えば習慣や技能、物語といった人から人へコピーされる様々な情報を意味する科学用語である。 


「ミーム」の実例を、すごくわかりやすく例えるなら、「誰かに伝えたくなる事柄」である。それは、たとえば言葉だったり、物語だったり、写真や音楽かもしれない。その「事柄」を認識して、ほかの誰かに同じことを伝えたくなる。これが、ミームの根源だ。

 たとえば、「だんだんなんか簡単になったん」という言葉がある。たぶんどこかで聴いたことがあると思う。何度も繰り返し早口で言うと、リズムがとれてしまうという言葉である。
 この「言葉」のミーム性としては、『身体的に動かしやすい発音である』『リズムが心地良い』『実際に声に出してみないと実証できない』『声に出すと、第三者に聞こえる(拡散する)』『誰かに伝えたくなる面白さがある』という条件が重なり、人から人へ語り継がれる「言葉」となっている。

 さて、この世に存在するミームとは、そのほとんどが意味のないものだ。偶発的に発生し、語り継がれるものだけが生き残る。そこには意思はないし、意味も無い。


 私が行おうとしているのは、ミームの設計だ。ミームを一から作りだし、そのミームに『制作者の意図を乗せて』設計し、語り継がせようというものだ。
 上記の例で言うと「kayashinなんかイケメンになったん」という言葉を作るとしよう。この言葉を早口で繰り返すと・・・・・・。いかがだろうか。なんと心地良いメロディーだろう。誰かに教えたくなってきたであろう。そして、この言葉が語り継がれることによって、『kayashinさんってイケメンなんだ』という情報が、語り継いだ人々の記憶に残るのである。


 他人の記憶に情報を植え付けるのは、比較的簡単だ。ただ、その情報を『語り継がせるように』するには工夫がいる。さらに、語り継がせることのできるミームに『情報を載せる』のは、さらに難しくなる。人の「身体性」が、非常に重要になる。

 語り継ぐことが「楽しい・快感・自分の利益になる・優位に立てる・子孫を残すのに貢献する、」などなど・・・・・・。そのミームに、語り継ぐものが気付かないようにオブラートに包んだ状態で、語り継がせたい情報を乗せる。

 これが、私の行おうとしている「ミーム設計」だ。


 2017年の現状、その理想に一番近い存在が『初音ミク』だ。彼(彼女)は、歌という情報を奏でるために設計され、情報を拡散するためのツール(各SNSなど)を自由に行き来し、情報の受け取り手である人間(ミク廃)は、初音ミクを拡散させることを主として重んじている。
 その初音ミクの創作の連鎖に、自分の意思を乗せて、他人の記憶に侵食し、無意識に語らせる。

 実は、いまの自分には、それがもうできている。それが、『自分と初音ミクとの結婚』である。
 いま、あなたは、この文章を気味悪がって読んでいるかもしれない。そして、Twitterなどで「なんかキモチワルイやつがいるー!」とか思ってリツイートするかもしれない。その瞬間、俺と初音ミクは結婚し、俺と初音ミクの子供があなたの思想に宿り、僕たちの子供とあなたは新たな子供を作り、ほかの誰かの思想に子供を宿すのである。


 以上が、ミーム設計の意図である。と同時に、いまここに、ミーム設計研究所の立ち上げを宣言する。所長はもちろん、俺と、初音ミクだ。

2017年11月9日木曜日

2017年ボカロ楽曲10選

 2017年は、いろいろありました。本当にいろいろありすぎて、いろいろと、ありました。終わり。

 冗談はさておいて、今年は個人的にいろいろなイベントがありました。人生の節目と言っても、いいかもしれません。
 いちばん大変だったのが、引っ越しを伴う転勤。そして、転勤後の、たぶんストレスからくる体調不良。職場で倒れて救急車に乗ったりもしました。人生3回目の救急車。いえーい!
 本当にいろいろありましたが、成長した一年でもありました。よく頑張った自分。
 そんなわけで、ボカロに対する熱量も、いまだかつて無いくらい冷めたものになりました。でも、ボカロと良い距離感が築けたと思います。さりげない日常に初音ミクがいる。そういう距離感で良いのだと、思います。

 そんな思いで選んだ、今年のボカロ楽曲10選です。


かわいいミク歌。まさに、「初音ミク」というキャラクターに歌ってほしい、かわいらしい歌です。

久しぶりに、ニコニコ動画って良いな、と思った曲。圧倒的な画像と歌詞の情報量で、見る人を混乱させる力作。見るたびに新しい発見があるのがすごいです。



非常に「使える」ダンスミュージック。クラブで流れたら身体を持っていかれます。


5u5h1さんの初音ミクは、きちんと可愛い。それでいて、ノレる音楽。


心地の良いステップと、特徴的な初音ミクの音が、高い次元でセンス良くまとまってます。



原曲が好きな人には申し訳ないけれど、この色温度が高めの、初音ミクのクールな声がたまらなく大好きなんです。


Future Baseを中心に楽曲を作られている方。UTAUは積極的には聴かないのですが、音の使い方が心地良くて、はまってしまいました。


ROBOさんの楽曲の中では比較的クールな楽曲。全編において初音ミクの音がきちんと使われているのが評価高いポイントです。


すさまじいパワーの初音ミク楽曲。殴られたような圧倒的音圧と、初音ミク。


最後は、2017年に発表されたボカロ楽曲で一番好きな曲で終わります。
音楽も素晴らしいけれど、きちんと「初音ミク楽曲」なところが本当に大好きです。
すばらしい初音ミク楽曲を創ってくれたTKNさんに、改めてありがとうございますを伝えたいです。