2013年1月20日日曜日

2013年1月14日 関東に雪が降る

 去る2013年1月14日。関東地方沿岸部を中心に、広い範囲で降雪がありました。東京都心で8センチ、横浜で14センチなど、実に7年振りの大雪だったそうです。

 そんな状況下、約30時間かけて静岡から茨城まで走破したアホがいました。そんな阿呆者の記録。


 1月13日。静岡市内でクラブイベントに参加。翌朝14日午前5時、静岡ICより東名高速道路上りに進入。



 同日6時頃、新東名高速道路駿河湾沼津SAにて体力の限界を感じ、仮眠をとる。思えばここが運命の分かれ道だった。頑張って走り通していれば……。

 同日10時頃。フロントガラスを叩きつける大粒の雨の音で目が覚める。辺りは文字通り暴風雨で、車外に出る気力が全くなくなるほど。まぁ次の足柄SAで朝ごはん食べればいいか、と本線へ。




 11時頃、御殿場付近を走行中、大雨から突如、有視界ほぼゼロの大雪に変わる。みるみるうちに積雪が増えていき、東名高速道路最高地点を通過する頃には、5センチ以上の積雪。車はすでにノロノロ運転。その間も雪は残酷に降り続け、暖まっているはずのボンネットにも積もるほど。毎分1センチ位の勢いだったマジで。

 ただ、御殿場を通り過ぎると雪は再び雨へと変わり、一番心配していた大井松田付近の連続カーブ帯はすんなりと通過。なーんだ余裕じゃん、と調子をこく。

 やがて自車は厚木JCT付近へ。
 ここからが凄かった。
 厚木JCTから海老名JCTまでのわずか1キロちょっとの3車線区間。そこを通過した途端、周囲の積雪が5センチ以上となっていた。わけわかんなかったね。ほんの数十秒の間に、雪国突入。急に車の流れが悪くなり、渋滞寸前。あーこれヤバいなー路上で閉じ込め喰らうなー。とっさの判断で海老名SAへ避難。SA入り口ではノーマルタイヤのワゴン車がスリップを起こしており、登れない状態。スタッドレスを履いていてもズルズル滑る。なんとか海老名SAに到着。




 海老名SA内は阿鼻叫喚の大騒ぎ。避難所状態。自分は海老名SAから海老名駅に歩いていけることを知っていたからそこまで危機感なかったけれど、知らなかった人は相当不安だったんじゃないかと思う。




 海老名SA待機中に、常磐自動車道が通行止めになる。最悪、クルマ乗り捨てて電車で茨城行くか? とも考えたけれど、常磐線を初め首都圏の近郊線が全滅していることを知り、ここで一夜明かすことも考える。




 海老名SA内の車が動き始めたのは、雪が止んでしばらく経ってから。走っているうちに首都高の通行止めも解除されるだろうとの楽観的希望を抱きつつ、本線へ戻る。

 本線へ戻ってからは、それはもう障害物てんこ盛りのアトラクション状態だった。除雪車も融雪剤も間に合わなかったらしく、道路はカチコチ轍のアイスバーンで、時速50キロも出せない。かと思うと全部が雪で覆われているわけでもなく、ところどころ道路が露出している区間もある。そういう区間は、金属チェーンを巻いた車が火花を散らしながら走っている。そんでもってチェーンが外れて、路上のいたるところに散乱している。5キロに1台のペースで道路の真中に佇む事故車やガス欠車。




 あらゆる障害を乗り越え、ようやく東京ICに到着。案の定というか、期待はずれというか、首都高3号線は通行止めのまま。遠くからでは真っ暗で分からなかったが、近づいてみると、首都高上にはライトを消した車で埋め尽くされていた。通行止め解除の目処が全く立っていない理由を、自分の目で見てようやく知る。




 仕方がないので、下道に降りて、246号線から6号線まで都内をひた走る。真夜中、雪で静まり返る都内は、走っていてとても新鮮だった。唯一、心が癒された時。

 その後順調に北上を続けるが、千住付近で体力の限界を感じ、近くのコインパーキングに逃げ込み仮眠をとる。
 目が覚めたのが、15日午前7時頃。国道6号に目を向けると、10トン20トントラックで埋め尽くされた、果てしなく続く渋滞。動かないってのなんの。

 その後、利根川を越境出来たのが15日13時頃。家に帰るやいなや泥のように布団にへばり付く。


 今回の大雪に関しては、積雪で交通網が麻痺している都内を縦断するという最悪のタイミングに遭遇してしまったことが、不幸の要因だった。
 でも、高速道路が通行止めになる度に思う。例え、時速20キロほどでもいいから、高速道路を使わせてくれと。それが出来ないことは分かるけどさ。

 今回の長時間通行止めという自体に対し、首都高側は『高架上に多数の車が取り残された影響で、除雪車が入り込めなかったため』と発表している。そりゃ確かに上記の写真見れば、おっしゃるとおりだ。でも、もうちょっとソフトウェアな運営方法でどうにかなったんじゃないかとも思うんだ。

 首都高には除雪車が無いと思っている方もいるかもしれないが、それは大きな間違いだ。首都の大動脈には180台もの雪害対策車が用意されている。
 今回は、その資産の有効活用が出来なかっただけだ。

 今回の出来事を教訓としてくれれば、俺の30時間は救われる。ハズ。