2018年7月25日水曜日

30歳になって気が付いた、お金の話

 なんだか出来の悪いアフィリエイトブログみたいなタイトルです。加えて、初音ミクの話題でもなければロードスターの話題でもありません。
 ここ最近、考え続けている、お金にまつわるお話しです。なんでいままで誰も教えてくれなかったんだろう、と思うところがあったので、書いてみました。

 おそらく、知っている人からすれば「なにを今さら、そんなことも知らずに生きてきたの?」と言われそうな内容なのですが……。


 それは20代最後の年だった。
「30歳になってもまだ独身だったらロードスターを買おう」と誓っていた僕は、めでたくその夢が叶い、ロードスター購入資金の調達に明け暮れていた。
 当時の僕は貯金もろくになく、それどころかディーラーの6%くらいで組んだ車のローン支払いに追われていて、負債額の方が多い有様だった。
 25歳の時に新車を買い、26歳でその新車を売り払ってもう一度新車を買い、ディーラーセールスに言われるがままのローンを組む。なおかつ趣味の初音ミクにまつわる出費もかさむ。まさに止まったら死ぬマグロ状態だった。給料日とカード引き落とし日で事故が起きないか、震える日々だった。
 そんな金銭状態でロードスターの新車を買うのだ。お金などどこにも無い。自動車のローンの支払いも残っている。どうする! どうする自分!

 人間、困るといろいろと行動するもので、ふと自分の会社の持ち株を買っていたことに気が付いた。入社したとき、訳も分からず持ち株会の申込用紙を書かされ、毎月2,000円ずつ引かれていた。その2,000円がどこに消え、どうすれば引き落としができるのか、なにも知らなかった。
 毎月2,000円ならどうせカスみたいなお金しか無いだろ。でも、ないよりましか。そう思い、社内のいろいろな部署に問い合わせ、なんとか自社株の引き落とし方法を「発見」した。
 そしたら、驚くことに、そこそこの額(クルマの頭金になる程度)が積み立てられていた。
 毎月2,000円なのに? なんでこんなに?
 調べてみたら、リーマンショック後からの株の値上がりで、購入額の2倍以上の株価になっていたのと、配当金でさらに株を買う複利状態になっていて、まとまった資金ができていた。

 まぁよく分からないが、頭金は用意できた。あとは残金をどのようにローンを組もうか。
 当時の僕は、車のローン=ディーラーという考えしかなかった。ディーラーローンだと、金利が5%ほど。残価ローンも考えたが、1年で2万キロ以上乗るから、使えない。
 そんなとき、積立預金を下ろしに労金へ行ったときだった。ちょうど「ローン相談フェア」みたいなのをやっていた。いろいろ話を聞いてみると、なんと労働組合員だとタダみたいな金利でお金を貸してくれることが分かった。
 ディーラーローンの金利と比べると、50万円近くの金利の差があった。

 タダみたいな金利で労金から借金ができるのならば、頭金など支払うものか! ここは漢の全額フルローンだ! ということで、自社株を売却することなく、めでたくロードスターを購入。

 自動車購入で一段落ついたころ。株売買の方法が分かってきたので、自社株をすべて売却し、いろいろな株を買ってみた。そしたらビギナーズラックというやつで、テキトーに売買していたらあっという間に資金が2倍になった。

 戦慄した。なんだこれクリックぽちぽちしているだけで、何十万円も利益が出るのか。。。これは本当にショックで、この世の中の資本主義ってなんだろう、労働ってなんだろうと、いままで生きてきた全てをひっくり返されたような、とても衝撃的な出来事だった。

 株価の値上がりも驚いたのだが、株の配当金の大きさも、この時初めて実感した。多くの銘柄が、年に2回、株価の約1%の配当があった。年に換算すると、2%だ。
 普通預金にお金を預けていても、金利は0.001%だ。お金は増えない。むしろ引き落し手数料でお金は減っていく。
 それなのに、株は預けておくだけで2%ずつ増えていく。日本は低金利社会じゃなかったのか? 株って、バブルとかリーマンショックとか、よく分からないけど手を出したらダメなようなイメージだったのに、実際はお金の預け先としてみると、非常に優れているのではないか?

 それに加えて、給料から自社株を購入すると、5%の報奨金が出る。5%上乗せで株が買えて、なおかつそれをいろいろな銘柄にまんべんなく散らせば、年に2%ずつ増えていく。そう考えると、単純計算で年に7%ずつお金が増えていく。株価が下がるかもしれないが、よほど景気が悪くならない限り、年に7%ずつ株価が下がることはあり得ない。

 そこで気が付いた。自分の会社は規模だけは大きいので、今後なにか大きい買い物(家とかクルマとか)があっても2%以下の金利でローンが組める。しかも、腐っても一部上場企業の正社員だから、たぶん住宅ローンとかも問題なく組める。

 モノを買うときは、お金を借りて、そのお金に稼がせる方が、いいのではないか。

 そうなると、お金を現金で貯めて、一括払いで支払うなど、愚行の極みではないか。
 いままで、なんとなく、借金は悪で、現金は正義で、一括払いこそ良識ある行動だと思っていた。
 そうではなく、上手く借金をして、そのお金で証券を運用し増やすべきなのだ。

 そのことに30歳になって気が付いた。
 大きい企業に勤めていた方がいいとか、労働組合がある会社の方がいいとか、こういう意味だったのか、と30歳になって初めて気が付いた。

 こういうことは、誰も教えてくれなかった。親も教えてくれなかった(親がこういうことを知っていたかどうかは知らない)。
 ずいぶん無駄な20代を過ごしたな、無駄なお金の使い方をしてしまったな、と悔いた。

 ただ、こういうことも、ロードスターを買わなければ気が付かなかったことである。
「このクルマを手に入れるほんの少しの勇気を持てば、きっと、だれもが、しあわせになる。」
 ロードスターの有名なキャッチコピーである。ロードスターは、こういうお金の話も、幸せにしてくれる。
 まとまってないけれど、もう面倒くさいから終わりにします。ロードスターは楽しいよ! おわり。