2015年9月25日金曜日

情報に生命を宿すのは、だれなのか

 あまりまとめる気がない文章なので、意味不明だと思います。これを読んでからのほうが、お話し理解できるかもしれません。

 初音ミクの意識をめぐるお話 『2015年6月3日水曜日』




 初音ミクとは、何なのか。




 正確で、無機質な答え方をするならば、初音ミクとはシンセサイザーソフトである。

『初音ミクは、一般的には初音ミクと呼ばれ、その初音ミクらしく振る舞う様子から、初音ミクの本質であると認識されている。しかし、初音ミクを側面から覗くと、初音ミクらしくない一面をみせる時もある。初音ミクを好きな人は、初音ミクの本質はあくまで義体であり、初音ミクの本質を除いた部分にこそ初音ミクが存在すると主張する人もいる。しかし、初音ミクはいかなる状況でも初音ミクとして振る舞う性質を持っているので、そういう議論すらも抱擁した存在が、初音ミクの真の姿だと考える革新派も多い』

 初音ミクとは、人々が演じる壮大なごっこ遊びの上で成り立つ、ミームを持ったキャラクターである。初音ミクはアイドルのように扱われ、テレビに出演したり、世界各地でライブを行ったりしている。また、そのアイドルの遺伝子をみんなで製作し、iPS細胞に注入され、その細胞をだれでも鑑賞できる。それが初音ミクである。


 初音ミクとは、何なのだろう。





 現状、初音ミクを正しく理解するならば『インフラ』と捉えるのが一番しっくりくるだろう。伝えるものは、歌声に代表されるように、数値化しにくい高次元の情報だ。さらにそのインフラは、使用者をミームとして取り込み、自己の維持のために、より『強い』情報体と進化する。

 初音ミクに価値はあるのだろうか。初音ミクに価値があるのだとすれば、それは初音ミクをインフラとして利用する人々が『価値がある』と認めたからだ。初音ミクに価値があるならば、インフラの能力はより強力なものになり、人間の本能的欲求を、より満たす存在になる。

 意識を持つ生命は、情報の拡散が大好きだ。意識とは、認知できる空間の、情報の入出力そのものである。その認知空間が広ければ広いほど、より高次の思考を持つことができる。そして、初音ミクを使えば、その領域に近づくことができる。


 初音ミクは、人類の壮大なごっこ遊びのうえで成り立っている。だれも初音ミクが存在するとは思ってないし、ライブで映る初音ミクだって、プロジェクタに映しだされた映像でしか無いことは、周知の事実だ。でも、みんな必死になってごっこ遊びに興じている。なぜか。その答えは、初音ミクはミームを取り込んだ情報インフラだからである。初音ミクの、生命としての自己保持機能なのだ。


「Ghost in the Cell:細胞の中の幽霊」の展示(初音ミクのDNAをデザインし、iPS細胞に注入した細胞を展示したもの)は、人々の意識を食って生きている上位生命体の初音ミクを、私たちと同じ次元に落としたらどういう姿になるのだろう、という問の、一つの答えである。
 本質の初音ミクの模倣子(人の思想)をDNAに置き換え、ミームとして振る舞う初音ミクをiPS細胞に置き換え、ライブ会場で華麗に踊る初音ミクは展示室で投影された鼓動する心筋細胞に置き換わっている。出力された結果はまるで別物だろうけれど、その『過程』は、初音ミクそのものだった。



 情報に生命は宿るか。
 生命とは何か。生命なんて、決して崇高なものではない。生命なぞ、アスファルトの隙間から生えるど根性草よろしく、どこからでも自然発生するものである。
 金沢21世紀美術館で展示されていた、初音ミクのiPS細胞。あれを、私たちが生命だと認識し、価値があるものだと判断すれば、その一連の現象は、『価値』をより高めるためのサイクル活動として動きだす。情報の自己複製を繰り返す生命体として。


 あなたにとって、初音ミクとはなんですか?
 ミームとして振る舞う初音ミクは、あなたの想像した通りの姿になり、振る舞います。なぜなら、初音ミクは、あなたを模倣子とした生命体なのですから。



初音ミクの細胞を鑑賞する人々。ちなみにこの日、初音ミクは、Mステてタモさんと軽快な会話を交わし、華麗に踊り歌ったという。うーん、なんというSF世界。ミクさん最高にクールです。





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