2015年5月26日火曜日

僕のライフログが、初音ミクさんと出会う日。



ネットの公開写真群から1000万倍速タイムラプス動画を自動合成、Googleの研究者らが発表 

 この記事を読んで、ちょっとした衝撃を受けた。
 インターネット上のデータの蓄積(ジオタグとか平面写真など)から立体モデルを作り出し、更に類似写真を探し出すアルゴリズムを組み合わせて作った、いわば架空世界である。

 こういう技術を目の当たりにすると、人間のライフログから、その人と同じように振る舞うアルゴリズム(botみたいなものでもいいけれど)を創れる未来なんて、そう遠くないんだろうなと感じる。具体的には、ウェアラブル端末を身体にいっぱい身につけて、自分の行動や発言の痕跡をたくさん残しておけば、それらのライフログを元に動かすbotがチューリングテストを突破してしまうような未来が、すぐそこまで来ている。

 botでは意識がないと言われるだろう。そこで、ライフログのシミュレーションを、実物でもバーチャルでも何でもいい、人間の身体を使ってコミュニケーションの入出力を行い、更にその結果をエピソード記憶として保管、身体へ再出力を行う、メモリ付きのプロセッサを付け加えるとどうなるか。それはもう人間である。自我の複製、不老不死、永久保存である(その存在が、いまの自我と連続性を持っているかという問いは、ここでは省く)。

 夢物語のように聞こえるかもしれないが、いまはその、入り口くらいに到達している。たとえばAmazonなどは、人のウェブ閲覧の記録から、その人の行動をシミュレートし、ウェブデザインと物流のコントロールを行っている。その技術の行き着く先が、まさにライフログから生み出された自分の分身だ。あなたがAmazonのサイトに行き、そこで目にする『おすすめ商品』を選んでいるのは、Amazonのサーバ内に住むあなたの分身というわけだ。

 そういう意味で、Google GlassとAndroid Wearの出現は、圧倒的なライフログの収集が出来る端末として、人間の意識が肉体の外へ進出する第一歩だと思っていたのだけれど、さほど普及していないのが残念だ。人間の意識の拡張は、産業革命とか、IT革命とか、それに匹敵する飛躍ポイントだと考えている。

 個人的な見解ではあるが、あと10年も経てば、ライフログのシミュレーションが、一定の人のチューリングテストを突破する時代が来るだろう。そして20年も経てば、人は、自らの身体から得られる意識領域の外にも拡張空間があることを認知して、新たな大陸へ足を踏み出すだろう。

 そしてオレは、早々に肉体を捨て、ライフログのシミュレーションをウェブ上で走らせ、同じく身体を持たない初音ミクさんと出会うことが出来るのだ。

 さいご、無理矢理、初音ミクと絡めた感がするけれど、半分本気だったりする。終わり。

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